
このKCSMというステーションはアプリケーション上でSmooth Jazzとなっているけれど、実際のHPでは単にJazzになってます。聴いている人間にとってはその差がわかるものの、定義的にはPOP Jazzの流れでフュージョンやR&Bっぽい感じのジャンルというか、言葉そのものもFMステーションが作ったらしく、一般的に大きな意味でのJazzの下のサブカテゴリーであって、まあ、ミュージシャンで言えばKenny GやGlover Washington Jr.、George Benson、あとShadeなんて王道になると思います。正直言うと僕はこのSmooth Jazzという便宜的にジャンル分けするためのキーワードの存在そのものには---音楽的なものとは別に---感謝しておりまして、CDショップに行ってKenny GがJazzのセクションに並んでたりすると非常に幻滅するというか、彼は素晴らしいプレイヤーで15年ほど前は割と聴いてたのだけれど、あれはどう考えてもJazzじゃない。CDショップがどこまで本気なのかは(と言うと変な表現だな)、僕はこのKenny Gがどこに並んでいるのかで判断してたりしてました。今はいろんなジャンルがあって単純にPOP、ROCK、JAZZという分別だけでは非常に難しくなった訳ですが、昔は今よりずいぶんおおざっぱだったんだなあと思ったりします。たぶんヘヴィメタというジャンルにまとめられてしまっていた数々のメタルと同様の状況だったのではないのでしょうか。もちろん聴く側にとってみれば細かいジャンルの差というのは当然の既存事実であって、CDショップの陳列とは別問題なのは今も昔も変わらない事でしょう。
と、Smooth Jazzを僕は好んで聴いているように書いてしまったものの、実際はあまり好みではなく、さっき書いたようにKenny G.を以前聴いた事と今ではShadeを聴くくらいなもので、Smooth Jazzに当てはまるものは全然普段は聴きません。心地よさがあるのは理解できるけど、どうも聴いていて肩がこるというか、この感覚は水割りを飲むのと近いかと思われます。水割りが僕は苦手で、飲んでいて肩がこる感覚があり(実際身体が冷えて肩がこるのかも知れないけど)、まず水割りって飲まない。Smooth Jazzも同じで悪くないんだけれど芯がない感じがどうもダメ。音楽もお酒も好みだから僕が言う事というのも偏狭だと思いますが、でも、まあ、僕にとって寝る時に聴く音楽としては最適である事は経験的にも言える事実のひとつです。ハルキさんの小説『ねじまき鳥クロニクル』にイージーリスニングの熱烈なファン(だと思われる)のクリーニング屋が出て来るけど、きっと僕が知らないだけでSmooth Jazzにもイージーリスニングにも水割りにも熱くなれるものはあるのでしょう。
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