2010-01-17

取り去られる事のない絶望感。[その後の彼女の人生は?]

週末は相変わらず出張、帰って来てWOWOWで観たのは『チェンジリング(Changeling)』。Eastwood監督でアンジーが主演、第81回アカデミー賞でいろいろノミネートされた作品です。とにかく救われない役柄で常に絶望感が漂っており、そしていつもEastwoodが作り出す悲しい色が滲んで映っているような雰囲気があり、何と言っても音楽がEastwood好みというか、彼らしさを余計に醸し出してますね。特別特徴的なフレーズのあるサウンドトラックではないんだけれど、じっとりとした感覚が伝わって来て、それがまた映画全体的に絶望感と非情感を与えているという感じ。実話に基づいた作品なんだけれど、観終わってから主人公であるChristin Collinsの人生って一体どういうものだったんだろうなあと考えさせられる。決して幸せではなかったと思うけれど、映画の終わり頃には笑顔も戻ってバリバリと再び働くようになり、そして同僚とも仲良く幸せそうに過ごしてる姿と、彼女なりに見つけた希望を大切にして生きようとするところだけが観ている者を少しは救うのに(映画はここまで)、それから数十年続いた彼女の人生がどういうものであったのか、おそらく映画に映し出された出来事と同じくらい辛い思いをし続けたと思うと、やはり救われない。そう思うと本当に辛い。実話だからこそ描かれた映画だし。

一応、これはアンジーの最新作になるのかな、2008年という事で次の作品は今年公開というところで、結婚やら子育てもあったので昨年はちょっとおやすみというところだったのかも。『マイティ・ハート/愛と絆(A Mighty Heart)』で演じた誘拐された夫を待つ妻役に通じる部分があるんだけれど、こちらは子どもが居なくなる母親という事で、顔に浮かぶ疲労感や絶望感がより一層深いものでして、まあ、アカデミーの主演女優賞にノミネートされただけある。John Malkovichは久しぶりに観たような気がしますけど、イメージ的に今回はいちばんまともな人間の役柄だったような:-)

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