2009-01-30
実はわかりやすいのかも知れないキューブリック。[デボチカな映画たち]
2009-01-29
Updike、逝く。[Fly like a pigeon, Updike]
米作家アップダイク氏死去 「走れうさぎ」著書
戦後の米文学界を代表する作家の1人、ジョン・アップダイク氏が27日午前、肺がんで死去した。76歳だった。関係者が明らかにした。
ペンシルベニア州出身。早くから文学方面の才能を発揮し、奨学金を受けてハーバード大学に進学した。卒業後は1年間、英オックスフォード大学に奨学研究者(フェローシップ)として留学。23歳には米誌ニューヨーカーから執筆を依頼され、半世紀にわたって同誌に寄稿した。
59年に「プアハウス・フェア」で小説家デビューし、60年には平凡な男ハリー・アングストロームの生活を通じて世相を描いた「走れウサギ」を発表。「ウ サギ」シリーズは90年代まで合計4作執筆され、後半2作「金持になったウサギ」、「さようならウサギ」はピュリツァー賞を受賞した。
その他の代表作にアフリカを舞台にした「クーデタ」、シェークスピアの「ハムレット」が下敷きになっている「ガートルードとクローディアス」、 ジャック・ニコルソン主演で映画化された「イーストウィックの魔女たち」がある。今年出版予定の短編集「My Father's Tears and Other Stories」が遺作となった。
CNN.co.jp 2009/01/29
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200901280001.html
そうか、Updikeも亡くなってしまったのか、と思った。Updikeと言えば『鳩の羽根(Pigeon Feathers)』というイメージが僕の中で出来てしまい、代表作である『走れウサギ(Rabbit, Run)』よりも印象的でした。これでひとつの時代が終わってしまったような、そんな気さえします。僕が最初にUpdikeを読んだのは高校生の頃、人生 とはこういう風にも広がる可能性があるんだと教えてくれた作家のひとりでもあり、今思うと彼の作品は本当に現実的なラインを上手く引いていた作家だったん だなあと思うところもあって、なおかつそこには小説という枠を通して何かを訴える訳でもないのだけれど確固たるプロットも存在していて、たぶん僕はそこに 魅せられたのかも知れません。残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。
2009-01-25
"クラッシュ"。[Jack, I think this is the beginning of a beautiful friendship.]
やっとお巡りさんが来て現場検証が終わり、終わったら再度電話をくれと言ったレンタカー会社に電話すると新しい車の現場までの輸送に2時間かかるという話、、、でもレンタカー会社までいけば車はあるというのでどうせ僕の自宅からレンタカー会社までは10分程度だし、話は彼らをそこまで連れて行く事に:-) と言う訳で1時間ほどの道中で彼らといろいろ話していると旦那さんのジャックは特殊な工業用エアクリーナーを輸入したりする仕事をしてて、奥さんのジャニスは日本の会社の香港支店で会計をやっているらしく、彼らが日本に来るのは数回目だけれど北海道は初めてで気に入ってくれてると言う。それはよかった。年齢も近いので話しやすさもあっていろいろ盛り上がってしまい、結局彼らは助けてくれたお礼に夕食をごちそうしたいと言うから、お礼とではなく友達としてならとお言葉に甘える事にしました。家族も連れて来いとジャックは言うのでうちの奥さんも娘も同席、地元らしいレストランで食事したのだけれどパパが異国の言葉を話す姿を初めて娘は見るので変な顔をしていました:-)
そんな訳で奇妙な友情の始まりです。妙に気が合うところがあって話していて楽しかったし、食事をしていてもなかなか食べ物が入らず話に夢中になってしまった。久しぶりに英語で話すのも楽しかったし、ね。うちの奥さんも会話を聞き取るくらいは出来るけれど、娘はお昼寝をしていない事もあって途中でウトウトとしてしまい、みんなで記念に撮った写真の中で娘は寝ています:-) 何度も今日はありがとうと言っていた彼らだったけれど、「僕もかつてにしろ今にしろ旅行をしている時にはいろんな人に助けられているので、そのお返しに困っている旅行者がいたら助ける事にしてるんだ。だからお礼は僕に言うんじゃなく、香港に戻って困っている旅行者を見つけたら助けてあげてね」と伝え、堅い握手をして別れました。「Jack, I think this is the beginning of a beautiful friendship」、映画『カサブランカ』の最後のセリフを引用:-) 我々はいつでも旅行者なのだと思う。うん。と言う事で新しい友達が出来たのだけれど、無事に香港まで戻れたかな。いつか香港に行ったらぜひ彼らに会おう。
どうでもいい話なんだけれど、110にGPS機能付きケータイから電話すると警察側で場所をサーチしてくれてどこから電話しているのかわかるようですね。警察が電話に出る前にピロピロピロと電子音が聞こえたので何かと思ったら、どうやらそういう事のようでした。話し終わってからケータイを見たらGPSデータのやりとりがあった事を表示していたし、世の中ずいぶん進歩したんだなあ。
2009-01-23
撮影方法に特徴がある2本。[9+1lives]
数日前に観たのは『美しい人(Nine Lives)』。9つのエピソードから成り立っている作品でそれぞれ全てワンシーン・ワンカットで撮れており、これが非常によかったです。ちょうど舞台演劇のような感じになるのだけれど映画の色も十分あり、独特な雰囲気を作っているので観ていてひきこまれるような感覚になる。この「ワンシーン・ワンカット」手法は最近観られなくなって寂しいとたまたま思っていたところだったので個人的にとてもよかったのですが、De Palmaの『スネーク・アイズ(Snake Eyes)』冒頭12分ショットを初めて観た時は強烈だったっけ。9つあるエピソードの中でいちばん好きだったのは最後のGlenn CloseとDakota Fanningがピクニックに行くストーリーで、観た時はGlenn CloseはDakota Fanningのおばあちゃん役なのかと思ったら母親だったので驚きました、、、。おばあちゃん役なら一般的過ぎるのか、年の差があるところに映らないストーリーがありそうで、いろいろ考えてしまいます。ピクニックに今日はこれを持って来たのよとCloseが果物を出すんだけれど、Fanningがこれ大好きなの覚えてたの?と嬉しそうに訊くあたりも普段は別々に過ごしているような背景がありそうな:-) ママは疲れちゃったと言いながらピクニックシートの上でCloseがFanningのひざを枕にして横になり、カメラがグルッと周囲を映してふたりの元に戻ってきた時には既に起き上がってシートを片付けているという部分が何かを強く印象つけるようなシーンでした。しかし最近Blogで映画の事ばっかりだな、、、。
2009-01-22
ケータイ中毒のオバマ氏の新機種?[Sectera Edge Oneになるか]
オバマ新大統領、「ブラックベリー」を手放せるか?
多機能携帯電話「ブラックベリー」を手放せないと公言するオバマ大統領に対し、米国防総省傘下の国家安全保障局(NSA)が、会話などを暗号化できるセキュリティ機能が高い携帯情報端末にするため3350ドル(約30万円)の予算を充てることを決めた。
ホワイトハウスではこれまで、電子メールはハッキングされる恐れがあるとして、機密上の観点からブッシュ前大統領、ならびにクリントン元大統領も使ってい なかった。クリントン元大統領が在任中に送信した電子メールは、たった2通。1通はシステムが機能しているかどうかを確認するテストメールで、もう1通は ジョン・グレン飛行士が宇宙に飛び立つ前に送ったものだった。
しかし、オバマ大統領は選挙運動中も「ブラックベリー」を手放さず、自ら「中毒」と呼ぶほど使い込んでいる。大統領職に就いただけで、これを諦めるのは難しいとも語っていた。しかし、GPS機能もあるブラックベリーは、ハッキングされる恐れが高い。
そこで、ブラックベリーよりもセキュリティ機能が高い機器に乗り換えるという話が持ち上がっている。候補に挙がっているのは、通話する音声や文書を 暗号化できるというゼネラル・ダイナミクス社の「Sectera Edge」。新大統領はこの端末への乗り換えに同意するのか注目されている。
2009/01/22 21:54 CNN.co.jp
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200901220036.html
オバマ大統領がケータイ中毒だと言う話は以前からニュースでも取り上げられていましたが、気になるこの"Sectera Edge"というスマートフォン、どういうものなのか調べてみました。特徴ある部分としては、
・機密モードと非機密モードがスイッチひとつで切り替え可能
・ワイアレスでは初めてSIPRNET(国防総省の機密ネットワーク)に可能とした
・直感的にも使えて"フレンドリー"なインターフェイス
・NSA(国家安全保障局)も認定
という事で、元々はNSAのPDAとして開発されたものらしいです。スマートに使いこなすのでしょうけれど身の回りにはたくさんのスタッフがいるのだから、彼らに直接用件を訊いたりすれば必要ないような。ブッシュが大統領だった時に使っていたiPodは(専用機のコールサイン"Air Force One"にちなんで)「iPod One」だったようですが、やっぱり通称"Sectera Edge One"になるのでしょうか。しかしスタイリッシュじゃないなあ、、、。でもクリントン大統領が送信したメールの2通のうち1通がテスト用でもう1通が宇宙飛行士へ送られたものというのはなかなかな話かと。ところで日本のメディアでブッシュやクリントンなどのかつてアメリカ大統領だった方々の肩書き(って言うのか?)は「前大統領」とか「元大統領」となっていますが、正確に言えば一度大統領に就任した方々は永久に大統領と呼ばれます。まあ、便宜的に前や元をつけて現職と区別しているのだろうけれど。
2009-01-21
"Renegade" is now the President. [変革者に期待]
2009-01-18
見えてこない心情や実情。[いきなりビンタしたり]
2009-01-16
It's not a Micky Mouse B------t! [なかなかよく出来てる]
2009-01-14
ミーアキャットと潜水服とべアール。[最近観た映画はこんなの]
ええと、なぜか先週末『ミーアキャット(The Meerkats)』なんて劇場で観てしまいました。と、言うのも事情があって観る事になったと言うのが正確なところでして、実は所属している団体のボスに当たる方のお母さんが亡くなって連休はお通夜と葬儀のお手伝いに行ってたのですけど、繰上法要まで3時間ほど時間が余ってしまい、同じくお手伝いに行った2名と映画に行って時間をつぶす事になったのでした。と言っても時間が上手くいかず、ちょうどいい時間に始まって終わるのが『ミーアキャット』だったわけです。ナレーションはPaul Newmanでこれが遺作になったわけですが、観たのは残念ながら吹き替え版で三谷幸喜さんがナレーションをしていました。三谷さんも大好きだけれど出来ればPaul Newmanで観たかったなあ、、、。今更ミーアキャットなんてと思って観たのだけれど、まあ、たしかに今更でした。Animal Planetでもよく『ミーアキャットの世界』とかやってますが、あれで十分だったような。とりあえず撮影したものにストーリーを後付けした感じがあって、実際は違うかも知れないけれど出来すぎてたところがあって、どうもなあと納得できないところも多く、同じく一緒に観た僕の連れ2人(60歳近いおっさん2名)も映画が終わって何も感想を言いませんでした:-) そういえば映画が始まる前に3人でボーッとチケットカウンター近くに突っ立ってたら周りの方々が我々を観てクスクス笑ってたので、黒ネクタイは取ったけれど喪服で上下黒だから異様で笑われるんだよなあと思っていたら、後ろをふと振り返るとそこには『007/慰めの報酬(Quantum of Solace)』のポスターがあって、我々3人と同じ格好の007が!:-) これは恥ずかしかった、、、。
それから帰ってきて自宅で観たのが『潜水服は蝶の夢を見る(Le scaphandre et le papillon)』という実話を元にした映画、WOWOWにて。Elleの編集長だったジャン=ドミニク・ボビーが脳溢血で倒れて全身マヒになってしまったのだけれど、唯一左目のまぶたを動かせるから意思の疎通もできるので自叙伝も書くという話。これはなかなかおもしろい1本で、ぜひ彼の書いた本を読んでみたいと思います。映画の後に同じくWOWOWで30分くらい彼の事に関するドキュメンタリー番組をやっていたのだけれど、こちらもオススメ。観ていると意思の疎通が出来るなら健常者と同じようにさえ思えてきてしまうのが不思議で、彼は動けない身体を"潜水服"と表現していたけれど、なんとなく僕はその夜眠る前にベッドの中でじっとして身体を動かせないマネをしてみると、深い海の中で動けないような感覚というのを味わう事が出来たというか、彼が言いたい事がよくわかりました。感覚がマヒしているので自分の身体の存在を感じる事も出来ず、ただどこかに閉じ込められているような感じ。これで目も見えず耳も聴こえない状態だったら僕は恐怖を感じてしまうと思うけれど、でも身体も動かす事さえ出来ないので誰にも伝えられず、どこにも逃げる事も出来ない。思わずハルキさんが書く井戸の底を思い出してしまった。
で、あとついつい観てしまったのが洋画★シネフィル・イマジカで放送していた『優しく愛して(L'amour en douce)』という1985年のフランス映画、何と言ってもエマニュエル・べアールが美しい:-) フランス映画といえば僕の中では白黒時代がピークで、『死刑台のエレベーター』やら『恐怖の報酬』という1950年代に作られたものを好むのだけれど、割と最近フランス映画にハマりつつあって、あの乾いた感覚を求めて観てしまう。独特な雰囲気、会話の進み方、そして忘れた頃に流れてくるBGM:-) フランス語がわかればもっとおもしろそうなんだけれどなあ、、、。この映画のストーリーは弁護士を夫として持つ妻が夫の浮気を見つけてしまい、自分も同じように浮気相手を見つけるんだけれど、その浮気相手を家に住み込ませ、始まりは意図的ではないにしろ弁護士である夫も浮気相手と同じ家で生活するようになり、4人での仲良い生活が始まり、まあ、そこには感情的ないろいろがあって、、、というありがちな物語。ありがちなんだけれどなぜか観てしまう(べアールの美しさは別としても)。一応コメディに含まれる作品のようですが、『TAXi』シリーズでわかるようにフランスのコメディ映画というのは「どこまで本気にコメディを作っているのかわからない」ところがあって、一般的に言うラブコメディとはちょっと違うような。作られた時代もあると思いますが、まあ、どことなく漂う適当感がいいのかも。