2009-01-14

ミーアキャットと潜水服とべアール。[最近観た映画はこんなの]



ええと、なぜか先週末『ミーアキャット(The Meerkats)』なんて劇場で観てしまいました。と、言うのも事情があって観る事になったと言うのが正確なところでして、実は所属している団体のボスに当たる方のお母さんが亡くなって連休はお通夜と葬儀のお手伝いに行ってたのですけど、繰上法要まで3時間ほど時間が余ってしまい、同じくお手伝いに行った2名と映画に行って時間をつぶす事になったのでした。と言っても時間が上手くいかず、ちょうどいい時間に始まって終わるのが『ミーアキャット』だったわけです。ナレーションはPaul Newmanでこれが遺作になったわけですが、観たのは残念ながら吹き替え版で三谷幸喜さんがナレーションをしていました。三谷さんも大好きだけれど出来ればPaul Newmanで観たかったなあ、、、。今更ミーアキャットなんてと思って観たのだけれど、まあ、たしかに今更でした。Animal Planetでもよく『ミーアキャットの世界』とかやってますが、あれで十分だったような。とりあえず撮影したものにストーリーを後付けした感じがあって、実際は違うかも知れないけれど出来すぎてたところがあって、どうもなあと納得できないところも多く、同じく一緒に観た僕の連れ2人(60歳近いおっさん2名)も映画が終わって何も感想を言いませんでした:-) そういえば映画が始まる前に3人でボーッとチケットカウンター近くに突っ立ってたら周りの方々が我々を観てクスクス笑ってたので、黒ネクタイは取ったけれど喪服で上下黒だから異様で笑われるんだよなあと思っていたら、後ろをふと振り返るとそこには『007/慰めの報酬(Quantum of Solace)』のポスターがあって、我々3人と同じ格好の007が!:-) これは恥ずかしかった、、、。



それから帰ってきて自宅で観たのが『潜水服は蝶の夢を見る(Le scaphandre et le papillon)』という実話を元にした映画、WOWOWにて。Elleの編集長だったジャン=ドミニク・ボビーが脳溢血で倒れて全身マヒになってしまったのだけれど、唯一左目のまぶたを動かせるから意思の疎通もできるので自叙伝も書くという話。これはなかなかおもしろい1本で、ぜひ彼の書いた本を読んでみたいと思います。映画の後に同じくWOWOWで30分くらい彼の事に関するドキュメンタリー番組をやっていたのだけれど、こちらもオススメ。観ていると意思の疎通が出来るなら健常者と同じようにさえ思えてきてしまうのが不思議で、彼は動けない身体を"潜水服"と表現していたけれど、なんとなく僕はその夜眠る前にベッドの中でじっとして身体を動かせないマネをしてみると、深い海の中で動けないような感覚というのを味わう事が出来たというか、彼が言いたい事がよくわかりました。感覚がマヒしているので自分の身体の存在を感じる事も出来ず、ただどこかに閉じ込められているような感じ。これで目も見えず耳も聴こえない状態だったら僕は恐怖を感じてしまうと思うけれど、でも身体も動かす事さえ出来ないので誰にも伝えられず、どこにも逃げる事も出来ない。思わずハルキさんが書く井戸の底を思い出してしまった。



で、あとついつい観てしまったのが洋画★シネフィル・イマジカで放送していた『優しく愛して(L'amour en douce)』という1985年のフランス映画、何と言ってもエマニュエル・べアールが美しい:-) フランス映画といえば僕の中では白黒時代がピークで、『死刑台のエレベーター』やら『恐怖の報酬』という1950年代に作られたものを好むのだけれど、割と最近フランス映画にハマりつつあって、あの乾いた感覚を求めて観てしまう。独特な雰囲気、会話の進み方、そして忘れた頃に流れてくるBGM:-) フランス語がわかればもっとおもしろそうなんだけれどなあ、、、。この映画のストーリーは弁護士を夫として持つ妻が夫の浮気を見つけてしまい、自分も同じように浮気相手を見つけるんだけれど、その浮気相手を家に住み込ませ、始まりは意図的ではないにしろ弁護士である夫も浮気相手と同じ家で生活するようになり、4人での仲良い生活が始まり、まあ、そこには感情的ないろいろがあって、、、というありがちな物語。ありがちなんだけれどなぜか観てしまう(べアールの美しさは別としても)。一応コメディに含まれる作品のようですが、『TAXi』シリーズでわかるようにフランスのコメディ映画というのは「どこまで本気にコメディを作っているのかわからない」ところがあって、一般的に言うラブコメディとはちょっと違うような。作られた時代もあると思いますが、まあ、どことなく漂う適当感がいいのかも。

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