2009-07-31

無事に帰還。[もうそれほどの事でもないのかも]


スペースシャトル・エンデヴァーが無事に戻ってきました。そろそろETAだなとTVのチャンネルをあちこち変えてみてもニュースではどこも取り上げておらず、8分ほど前になってNHT-BSだけが時間を延長して着陸の中継スタートです。無事にランディングしてからNHKでは地上波でもニュース速報を入れてたけど、でも今では中継するほどのニュースでもないんだなあと実感、、、。もちろん中継する権利やらオトナの事情もあるのかも知れないけれど、でもちょっと寂しい。たまたまCSのチャンネルで11時くらいまで映画『アポロ13(Apollo 13)』をやってて観てたんですが、アポロの時代でさえも13号になれば宇宙からの中継は既に視聴率を取れないという事で、クルーだけが生中継だと思って地上の視聴者に向けていろいろ実演してみるシーンがあるんだけれど、まあ、それだけ宇宙が人間にとって近い存在になったという事なのでしょうか。とにかくお疲れさまでした。Welcome Home. ところで今までの宇宙飛行士の中で若田さんの英語がいちばん上手だと思います。

2009-07-28

iPhoneが広げたもの。[iPhoneとはなにか]

iPhone生活2日目。いろいろ書いてみます。
まず問題となっていたアドレスの移行ですが、MobileMeに契約してiPhoneと同期させました。しかしSO905→micro SD→カードリーダーでMacのアドレスブックを通したので、名前等のよみがながバラバラになっているのはアドレスブック上にて手動で修正。しかしMobileMe以外にiTunesでも同期させたせいで、MacからのアドレスとMobileMeからのアドレスとふたつiPhoneに表示されるようになってしまいました。iTunesで同期をキャンセルしても修正されず、ちょっと今後いろいろやってみなくちゃなと思います。

そしていちばん苦労しているのはカット&ペースト。細かい指の動きを感知してくれず、範囲の選択やカーソル移動が難しい、、、。そこで昔使っていたSigmarion IIIのスタイラスペンがあったなと思って引っ張りだして来たけれど反応せず。加圧式じゃないから当たり前か。仕事用に会社名と名前を署名としてメールにつけているので、プライベートでメール送信する時など署名を削除するのが大変かも。自分でタップペンでも作るかな。

あと気になるのはバッテリーの減りが激しい事。今はいろいろ触っているので仕方ないと思いますが、まあ、明るさを暗く選択してみたり。特に、、、娘がゲームやりたいと言って楽しんでいるから仕方ないか:-)

iPhoneを実際に手にしてみて感じた事は、昔同じような感覚をどこかで覚えたなあと言う事。そうそう、初めてケータイをi-modeにした時に同じような感覚があったんだよね。マルチファンクションな機能は役立つものばかりで感動したっけ。今ではそれが当たり前になってしまったものの、今回こうやってiPhoneを入手する事で手元に置ける役立つ情報が増えた上、アプリを選ぶ事で過剰な情報には決してならないと思います。これはもう携帯電話ではなく、電話機能がおまけに付いた小さなモバイルマシンだし、たぶんこういう物を好む人じゃないと決して満足な印象は抱く事が出来ないと思う。それは決してiPhoneに限って言える事ではないくらい各社いろんな多機能の携帯を出している訳ですが、でもアプリに関して言えば(他社とのユーザー数に違いもあるけれど)積極的にユーザーが作成して公開し、今まである意味ネックになっていた部分がなくなった事で今後ももっと広がっていくのでは。その背景には単純なネットとの接続があるだけではなく、個々が持つコンピューターとの接続があって、今まではどちらかと言えばコンピューターの代替という意味を持たされていた一方、iPhoneというのはそこの枠を持ってもいるんだけれど、でもコンピューターと接続する事でより大きな意味(もしくは全く別な意味)を持っているのだと思います。と言うわけで「iPhoneにしたんだね。どう?」と訊かれても、一言で良さを伝えるのは困難かも知れません:-)

2009-07-27

iPhone、買っちゃいました。[使いこなすまでは遠い]


事の始まりは娘と同じ保育園に通うSちゃんのパパとの会話でした。僕のVW GolfのリアウィンドにAppleシールが貼ってある事をSちゃんパパは気がつき、自分もMacユーザーであるとの事。いろいろ話をしているとケータイを2台使っているらしく、ひとつはDoCoMoでひとつはiPhone。

そしてSちゃんパパのこんな一言、
DoCoMoのプランをいちばん安くして電話受け専用にし、今やってるiPhone for everybodyキャンペーンでiPhoneを買ってそっちをパケット無制限にすれば、今までと同じくらいの価格で手に入る
という魔法のようなの一言:-)

なるほどねえ、、、それには気がつかなかった。これはもう、、、買うしかないでしょう。ただし使っているDoCoMoのプランによってお得感が僕のように出る人もいれば、高くなる人もいるのでご注意を。

と、言う事で先日の日曜日に近所のSoftBankショップに行ってきました。欲しいのはもちろんiPhone 3GSの30GB、ブラックです。そこで淡々としててクール過ぎる受付のおねえさんに訊いてみると在庫がなくて明日入荷しますという話。そんな訳でいろいろ手続きを行ってiPhoneは取り寄せしてもらう事に。その間ずっとおねえさんはクールで淡々としてたので、なんとか笑わせようと思ったけれど気の利いた事も言えず。そういえばポケットにauのリスモのポケットティッシュが入ってたから、それをおねえさんの目の前で使えばよかった:-)

そして今日引き取りに行って来たのですが、いろいろ問題点もあったので、書き抜いておきます。
データの移行に関して。
どういう訳かMNPで乗り換えをした場合じゃないとデータの移行が出来ないと言われる。そんな事はないと思うんだけれどなあ、、、。結局データを移行するためのアプリケーションが入ったCD-ROMを渡されるんだけれど、これはMacで起動せず。まさか手作業で700件ほどのデータを移行する訳にもいかない。ここで思い出したのは以前SO902を使っていた時、アドレスをメモリースティックに落としてiBookで読み込むとアドレスブックできちんと開いた事。と言う事でSoftBankショップ近くの大型電器店に行ってUSBで繋げるBUFFALOのカードリーダーを買い、SO905のデータをmicro SDに移してMacBookで読み込んでアドレスブックで開いてみる事にしました。
結果は成功。ただしMacBookに入ったデータをiPhoneに入れるため、mobile meに契約しなくちゃいけないので費用は別途かかります。それにデータのカテゴリー分けまでは移行しないので、mobile meできちんとグループ分け出来たりするから、決して高くない契約。それだけのためにmobile meを契約する訳じゃないし、ね。

会社のWi-Fiにも無事に繋がったし、よかった、よかった。ただしメールアドレス変更しましたのメールを皆さんに送るのがハード、、、。まだ到着していない方、もう少々お待ち下さい。

2009-07-23

突然お昼のビールタイム。[目玉のおやじは恐いのか]

今日は娘の保育園でお祭りがあって、設営から片付けまでお手伝いしてきました。このために休みを取ったんだけれど、会場でビール飲むから自宅からバスで出掛けたのはよかったものの、バスを降りてから自分が思っていた集合時間が曖昧に思えて来て、念のために保育園に電話すると4時半集合との事、、、。今まだ2時半過ぎ、あと2時間もある、、、。バスで戻るのも面倒だし、お祭りの用意だったから本も持たずに出てしまったので絶望的だったのですが、もうこれは飲むしかないなと思って適当に目についた中華料理屋で中瓶1本とおつまみを注文。ちびちびと飲んでいたけれど、これ1本でそれほど時間をつぶせるはずもなく、ついつい2本目を注文:-) 独り言→「いや、これはえりちゃんの的確なアドバイスに従った限りです」で、中瓶2本飲んで保育園へ。どうなんだろうなあ、、、。でも昼間のビールって本当に美味しいですよね。北海道で飲むと湿度が低いので、飲んでも汗をあんまりかかないし。そして会場設営してたら酔いも覚め、生ビールサーバーはきちんと動いているかどうか味見。うん、大丈夫:-)

昨年はリロ&スティッチに出て来るピンクのスティッチ「エンジェル」の着ぐるみを自前で用意して着たのですが、今年は目玉のおやじの着ぐるみを先日ドンキホーテで買って用意していたので、これを着て盆踊りを踊ったりビールを売ったりしました。でも年長クラスとその下の娘のクラスの子ども達は笑ってくれるけど、もっと下のクラスの子達は目玉のおやじが恐いらしく、来年はもっと考えなくちゃなあ。娘曰く「もっとキャラクターの方がみんな喜ぶと思う」とクールなコメント:-) はい、来年はそうさせていただきます、、、。

2009-07-22

娘、5歳になる。[いろんな話をするようになってきた]

今日は娘の誕生日、5歳になりました。相変わらず最近も戦隊ヒーローものが好きなようで、ケーキの上になんとかレンジャーを載せてます:-) しかしあっと言う間に5歳だな、、、。4歳まではまだ本当に小さい子どもという感じがするけど、5歳になるとちょっと一線を越えるような。中身は変わらないんだけれどね:-) でも話す事はいろいろ大人っぽくなってきたというか、先日寝る前にいろいろ話していた時、娘は「最近たまに思うんだけどさ」と話を始めたのでちょっとビックリした。これからも怪我も病気もなく、大きく育ってくれますように。

もちろん彼女が生まれた日を今でもよく覚えてます。予定日が19日で検診に行っても予兆がなく、夜は夫婦でラーメンを食べに行ったんだよなあ:-) 22日の検診日で急に帝王切開する事が決まり、うちの奥さんを病院に残して慌てて荷物を自宅に取りに行き、コンビニでなぜかチョコレートだとか買ったんだっけ:-) とにかく晴れた夏の日で、空にはいくつか雲が浮かぶくらいのきれいな青空だった。生まれてから自宅に戻っても興奮して眠れなく、確か夜になっても気温が下がらなくて寝る時も汗をかくくらいで、退院しても暑い日が続いてエアコンを買ったものの、そこから急に涼しくなって実際はほとんど使わなかった記憶が、、、。あの年は異常に暑かったんだと思う。今年なんて昨日は温風を入れようかと思うくらい気温が低いので、やっぱり異常気象なのかも。

2009-07-21

天人峡温泉に行ってきました。[小さいのが好み]

先週末は仕事の集まりがあって天人峡温泉に行ってきました。たぶん20年振りくらい。旭川から車で1時間ほどのところで、先日登山客が亡くなったトムラウシ山のふもと辺りです。天人峡にはいくつかホテルがあるのですが、温泉街という雰囲気はなくてそれぞれが細々とやっている感じで、あまり大々的に観光客をそろってお迎えしているところではありません。僕はあまり商売根性たっぷりの温泉地が好きではないので、こういうちょっと寂しささえ感じられるところが好きです。宿泊したのは「御やど しきしま荘」というところ。ここはスタッフみなさんアットホームなところで親切だし、宿そのものもきれいだし、もし天人峡に泊まる事があったらぜひおすすめします。ちなみにいちばん近いコンビニも約25kmほど離れているのでご注意を:-)

2009-07-16

ただのホラー映画ではありません。[リメイクがあってもいい]

久しぶりに『エクソシスト(The Exorcist)』なんて先日観てしまいました。子どもの頃はこれ以上に恐い映画なんてないんじゃないかと思っていたけど、今観ると時々笑えてしまったりする部分もあって、なんか少しがっかりしたような、、、。でもそれは当時と原題の映画技術の差にあって、ストーリーそのものは決してそれほど悪くないと思う。あのテーマ曲もなかなかなものだし、ね。今なんとなく調べてみるとてっきり僕は今から過去10年以内にリメイク版が作られたのかと思っていたけど、どうも僕の勘違いらしくディレクターズカット版のようでした、、、。こういう勘違い、僕は多いな、、、。あれは『サイコ(Psycho)』の話か。

2009-07-08

うちの奥さんの誕生日。[不思議と偏った誕生月]

7月8日はうちの奥さんの誕生日でした。娘と一緒に花とケーキを買いに行き、はりきって娘はプレゼントと一緒に渡したり、率先してバースデーソングを歌ったりとがんばっていました:-) うちは偶然娘と奥さんが同じ誕生月、僕と義母も同じ誕生月と偏っていて、7月と12月はなんだか心なしかどこか落ち着かない雰囲気。お誕生日おめでとう。

2009-07-07

海やら山やら有害植物やら。[偶然がたくさん]

週末は相変わらず出張だったので月曜日に代休をもらい、娘も昼から保育園を休ませ、暑かったので今年初の海に行ってきました。午前中がどんどん気温が上がって暑過ぎるくらいでしたが、海の辺りまで来ると気温は低くなってちょうどいいくらいです。さすがにまだ水温が上がってないので、泳いでいる人も居なければ海開きもまだだからとても静かで、来るのは若いカップルくらいなものですね。砂の山を作ってトンネルを掘ったり、きれいな貝殻を探したりして過ごし、ドライブして帰って来ました。ばっちり日焼けたな、、、。



日焼けた翌日の火曜日、毎年恒例の自生有害植物の駆除に行ってきました。去年は出張があったので行けなかったけれど、今年は気合いを入れて上下つなぎの作業着まで買ってしまった:-) でも本当に暑くて汗ダラダラ、今までの中でいちばんハードな年だったかも知れない。小さなトラック数杯分になっても完全に駆除した訳ではなく、この戦いはまだまだ続きそうです。またばっちり日焼けた、、、。


ところで偶然がいくつか重なったので明記。大したオチもないんだけれど。今回の駆除には某TV局から2人が来て撮影してたのですが、駆除が終わって僕が会社に戻ると東京から取引先のセールスが来てて夜食事でも行こうという話になり、行った地ビールのレストランで隣の席にはその某TV局の2人が座ってました:-) 真剣なドキュメンタリー番組を作っているという事でいろいろ話をしつつ別れ、その後行った2軒目のお店では僕の耳鼻科医と偶然会って少し一緒に飲む事に:-) そして帰ろうと思ってお店を出てすぐ乗り込んだタクシーを運転していたのは知り合いの運転手さんでした:-) ここまで偶然に会うのもめずらしい、、、。

2009-07-03

滲出性中耳炎治療をめぐる冒険。[電気メスは羊男を頭から追いやるか]

先日書いた中耳炎の話の続き。羽田のクリニックに行ったという話は先日しましたが、週が明けて水曜日の朝にはやはり左耳が塞がった感じが続き、どうもこれはよくないなと思って最近オープンした耳鼻科の話も聞いていたからそこへ行ってきました。これ以上新しい小サイズの耳鼻科はないと思われるほどピカピカな病院で、早速診察してもらうとドクターも感じがいい。画像を撮るまでは前回別な耳鼻科でもやった事ですが、今回は聴力検査もしてもらいました。まずヘッドフォンをつけて片側から波の音やらチャンネルに合っていない電波チューニング音やらが聞こえ、反対側でビープ音が聞こえたら手元のスイッチを押して合図します。羽田のクリニックで診てもらった右側は悪くないんだけれど、左側はちょっと苦労しました。ヘッドフォンの後は耳の後ろの骨の部分に同じようなヘッドフォン型の機械の末端を当てて、どうやら今度は骨伝導での検査のようです。これは初めてでした。右は同じくらい問題ないのだけれど、左が全然聴こえない。検査してくれた方も端末を当てる場所を微妙に調節しながら必死に「聞こえませんか?」と訊いてくれるんだけれど、全くこれが聞こえない、、、。結局数分位置を探しながらやっと聞こえましたが、どうも耳の骨の形がいびつなのかも知れません。

で、結果から言うと滲出性中耳炎でした。耳の中に滲出液が溜まってしまった状態なので聞こえが悪い訳です。だから液の位置によって状態で聞こえが良かったりするのか。薬で地味にやるかレーザーメスで出してしまうか決断を求められたわけですが、とりあえず滲出液たっぷりの左耳だけまずは出して右耳は薬で治療していく事に。じゃあ麻酔しますと言われてベッドの上に寝かされ、温かいどろどろした麻酔を左耳に注がれます。既に耳は塞がっているので麻酔を入れても聞こえ方には変わらず、そのまま12分待てというのでじっとベッドで横になっていました。時間が過ぎるまでいろんな事を考えていたんですが、出張の時久々に読み返していた『羊をめぐる冒険』の羊男が頭の中に入って来るような変な感覚に陥る。ずっと腕時計を見ていたんだけれど、9分ほど過ぎた辺りで目眩のように頭がグラグラしてきて左奥歯の辺りもしびれてくる感じが。このまま眠ってしまうのかなあと思っていたら看護士さんに呼ばれ、左耳にガーゼを当てられて診察台に乗せられ、じゃあやりましょうとドクターが言って切ってもらい、滲出液を出して吸い取られて終了。耳には綿を詰められて帰ってきました。記憶も脳みそも一緒に吸い取られる事はなかったようだけれど、術後は左耳は再び「開いた」けどずっと安いイヤホンで音が聞こえている感じ。でも翌日には聞こえは良くなりました。来週再診に行ってきます。

たぶん穏やかに平然と気圧の変化なく毎日を過ごせたら本当は耳にとってもいいと思うのですが、仕事で峠を越えて行かなくちゃいけない所もあるし、いろいろ予防策を取って今後は耳を大切にしたいと思います。

2009-07-01

Just Remember to Always Think Twice. [マイケルとはどういう存在だったのか]

昨日は治りかけていた中耳炎が悪化し、浸出液を出すために麻酔をかけて切ってきたんですが、その話はまた後日。どうも自分の中でマイケル・ジャクソンの死について書かなければいけないという気持ちがずっとあって、何の脈絡もなく、まあ、書いてみます。

東京出張中、十数年振りに会う女の子が居ました。彼女は僕の高校時代の同級生で、2年間ほど一緒に同じ学校に通い、今回本当に久しぶりにみんなで会おうかという話になったのです。通っていた学校というのはとにかく異国の僻地にあったので、彼女とだけではなく日本人というだけでみんな仲良くなり、特に彼女の芸術をはじめとするいろんなセンスにはいつも感心させられたものでした。で、今回みんなで久しぶりにあっていろいろ話していたんですが、最初はその女の子と別な同級生の男の3人でスターバックスにて近況報告などして、なんとなくマイケル・ジャクソンの話になり、彼女が「死んでしまったのはとても悲しい」と言います。一緒に居た別な同級生は「え?そんなに好きだったの?」と訊いたんですが、「だってマイケルだよ」と彼女。

世界からマイケル・ジャクソンが失われてしまうという事が、どういう事なのかみんな分かっていなかったんだと思う。世の中にはいろんな種類の悲しみがあって、失ってから感じる事の出来る大切さや悲しみというものがその中にはあります。失う前に大切に出来ればいいと思うんだけれど、それはあまりにも日常に溶け込んでしまっていて、その輝きや眩しさというものをまず自らが失い、そこから感情は様々な形に変化する事もある一方、初めて出会った頃に感じた感動や夢中になっていた頃の気持ちも戻ってきてくれる事もあるでしょう。失ったものを讃える事は決して間違った事ではないと思います。改めて大切さを感じるための行程のひとつと言っても過言ではないだろうし、そうする事で次のステップへと人間を押し進めるのかも知れません。

マイケル・ジャクソンは常にスターでした。彼に関する様々なゴシップ、事実、もしくは奇行が報じられても彼は常にスターであり続けたのです。King of POP、彼はそう呼ばれています。おそらく今後そう呼ばれるミュージシャンは残念ながら出てこない事でしょう。音楽を伝えるメディアが増えた今と違って、オーディエンス個々それぞれが手にする媒体に大きな差がなかった80年代というバックグラウンドも、彼の音楽的才能と同様に彼を大きくスターへとさせたのも事実です。でもそれはそうとしても、世界が彼を注目し、世界が彼を讃え、世界が彼の音楽を聴いていました。それまでのPOPミュージックにはなかった聴く音楽から観る音楽への変革、そのキーパーソンのひとりこそがマイケル・ジャクソンです。聴く側に加えて観る側というオーディエンスの新しいスタンスを作り、激しいダンスやイリュージョンを加え、人々を魅了し、そしてそれは斬新な風となったのです。常に斬新な音と斬新な視覚を取り入れて来た彼がもし居なければ、今のPOPミュージックのあり方というものは違うものになっていたのではないのでしょうか。僕はそう思います。

「(スーパー)マリオは幼なじみみたいなもの」、前出の僕の同級生は別な話をしている時にスーパーマリオをそう表現しました。たぶんマイケル・ジャクソンも多くの人にとってはそんな存在であったのかも知れません。あるいはその存在が自分から離れ過ぎてて大き過ぎるから故、そう表現する事で身近な存在にしているのかも知れません。いずれにしても、大きなものが失われてしまった事には変わりはなく、特別な感情を持っていなくても、彼の存在というものは常にあったのです。

彼の急死はまるで遠い場所で起きたアンラッキーな出来事のように僕は最初感じていました。宇宙船の打ち上げが失敗したとか、世界遺産の塔が倒れたとか、観光名所の大きな木が倒れてしまったとか、知った時に「ああ、そうなのか」と思うようなそういう類いの事。でも東京へ向かうために地元の空港へクルマで移動している最中、ラジオのDJが流した「ビリー・ジーン」を聴くと、どうやらその時やっと僕は彼がこの世から失われてしまった事を実感したようで、ついつい涙が溢れてきてしまった。マイケル・ジャクソンの特別なファンではなかったけれど、でもやっぱり悲しい。彼が一体僕にとって何だったのか、きっとこれは永遠に答えを出す事は出来ないような気がする。