2009-04-05

虹の彼方に。[Happy Little Bluebirds Fly]

今日、叔母が亡くなった。去年から免疫系の難病と戦ってきたものの、家族に囲まれながら逝ってしまった。亡くなる数時間前に少し容態がそれまでより安定したので叔父は一度帰ったのだが、血圧も酸素飽和度も落ちて来たので呼び戻され、病室に戻って来たところで叔母は最後に一度だけ目を開いてから閉じたのだ。それよりちょっと前、叔母の容態が一段と悪くなった頃に雲が広がってきて、病室の空気に耐えきれなくなった僕が病院の外に出てぼんやりしている時、誰かのお見舞いに来た10歳くらいの男の子が外に出たとたん「雨の匂いがする」と一緒に歩いていた彼のおばあちゃんらしき人に言った彼のその言葉が頭に残っている。"うん、するね"と僕は目を瞑って心の中で相づちを打った。それからすぐに雨が降って来て、叔母の病室があるフロアに戻った時にかなりの降り方に変わっていた。そんな雨を見ながら僕は娘を窓辺へ連れて行き、人間の死というものがどういうものなのか話してみた。治る病気もあれば治らない病気もある事、時間は無限ではない事、そして死は生の対極ではなく生の中に存在している事も。もちろん娘は4歳と9ヶ月なので難しい事はわからないけれど、僕が真剣に何かを伝えようとしている事はわかってくれている様子だった。それから僕たちはふたりで虹を眺めた。虹が消えようとしている頃、叔母は長年連れ添った彼女の夫のために目を一度だけ開いて、そしてそっと静かに目を閉じたのだ。

2 件のコメント:

LONGHILLS さんのコメント...

そうでしたか..悲しい出来事ですね..
僕のカミさんの叔母も先日亡くなり,僕の叔母が今入院しています.生前の元気な姿を想像すると本当に悲しい気持ちになりますね.
とにかくご冥福をお祈りします.

Lay Daddy さんのコメント...

こんにちは、LONGHILLSさん。

返信遅れてごめんなさい。コメント&お気遣いありがとうございます。葬儀やらで慌ただしい日が続いていました。そうですか、LONGHILLSさんの奥さんの叔母さんも亡くなったんですね。人が亡くなるたびに僕は「人生ってフェアじゃない」と思うんですよ。そんな無情さにいつも泣いてます、、、。