2009-09-04

今年観た映画のトップ3には入る。[告発のとき]

WOWOWで『告発のとき(In the Valley of Elah)』を観ました。なかなかこれはおもしろくて今年観た映画の中では個人的トップ3に入るくらいだと思うし(と言いつつ別にたくさんの映画を観てる訳でもないんだけれど)、監督のポール・ハギスと言えばここ数年監督やら脚本やら仕事をする度にヒットしてて、観ていると確かに『クラッシュ(Crash)』っぽい雰囲気もあります。おおまかなプロットとしてはイラクに派兵されて戻ってきた息子が行方不明になり、脱走するはずがないと思った父親(トミー・リー・ジョーンズ)が探すんだけれど残念な事に息子は殺害されて見つかって、地元警察の刑事(シャーリーズ・セロン)と捜査していくと意外な事実がわかり…という感じ。イラク帰還兵の苦悩を描く作品は今後もいろいろ出て来ると思うし、もうすぐ9/11から8年後のこのタイミングで観ると奥が深いものがある。父親も昔は軍人で、当時と現在の違いというとシンプル過ぎるけど、昔ほど戦争がシンプルではない部分(シンプルな戦争という表現で申し訳ない)や付随してくる大きなうねりやらもあって、その辺りで父親も困惑するんだけれど、息子の死を受け入れつつ軍人であった事を誇りに物事を進めていくあたりも深い。そしてメタファーも多く、原題の直訳"エラの谷"は聖書でダビデとゴリアテが戦った地であり、ダビデとゴリアテの関係というのはイラクとアメリカという関係はもちろん、戦いの相手が本当は何なのかも考えさせられる。そしていちばん意味深なのは映画の始めでトミー・リー・ジョーンズが国旗を上下逆に掲揚した学校の前を通りかかり、「上下逆にする事がどういう意味か知っているのか?国家が非常事態にあって降参だっていう意味だぞ」と学校の用務員に教えて正しく掲揚しなおすシーン。実は全てが終わった映画の最後辺りで再度その学校を訪れ、やはり上下逆に掲揚して夜も降ろさなくていいと用務員に言うところが本当に感慨深いものがあります。どこか冷たくひんやりと湿っている感じが観ている間ずっと僕はしてて、独特な雰囲気があり、うまく出来てるなあとつくづく思う。ちなみに母親役はスーザン・サランドンなんだけれど、あんまり存在感がない感じ。それでも彼女が適役だと思わせるのがすごい。


あと最近観た映画のタイトルだけ。
・オーシャンズ11(観たのは数回目。まだ何となく初々しさがある)
・オーシャンズ12(数回目。ヒットしなかったのはどうしてなんだろう)
・イースタン・プロミス(初めて観た。これもじっとりしてる。ロシア版ゴッドファーザー)
・バック・トゥ・ザ・フューチャー2(たぶん冗談抜きに200回目くらい。シリーズでいちばん好きかも)
・バック・トゥ・ザ・フューチャー3(2より観てないけど150回は観てるはず。今観るとセリフが非常に表現豊かだと気がつく)

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