2008-10-22

いろんなメタファーに溢れている[The Bird is still here yet.]

昨日の休日、久しぶりにじっくり読書しました。本当は本を読みながら聴いていたBrian Wilsonの新譜『That Lucky Old Sun』について書こうと思っていたのだけれど、こちらはまだちょっとうまく感想がまとまらないので後日にでも。で、昨日読んだのは先日古本として買ったハードカバーの『ノルウェイの森』の上巻でした。最後に読んだのはいつだったか忘れてしまったけどたぶん十数回目、でも自分が歳を重ねてから読むと別な印象を受けます。で、上巻の最後と言うと直子が入っている施設を訪れて久しぶりに再会し、レイコさんが出てきて話をする辺りですね。そのレイコさんが出てきたところを読んでいて驚いたのですが、まだレイコさんって40歳にもなっていないんですねえ、、、。てっきり50歳近いか、もしくは既に50歳過ぎたくらいとして僕の中では思ってました、、、。個人的な事なんだけどレイコさんは僕の叔母に何となく似ているような気がしてて、叔母の年齢と重なっていたようです。でもそれにしても40歳前だとは思えないような、いや、ハルキさんの小説に出てくる方々はみんな実年齢よりも精神年齢は高いのか。あと気がついたのは上巻パートにおいて「地図」がキーワードになっているんですね。地図を将来作る事を楽しみにしていた寮のルームメイトである突撃隊が途中で退寮し、小林緑は地図に解説をつけるアルバイトをしてて、そして主人公であるワタナベトオルは自分の進む道を見失いつつある、こんな感じに「地図」がメタファーになっているんじゃないのかなあと思います。地図を作ろうとしている突撃隊が去った辺りからワタナベトオルは迷い始め、小林緑は道をつけようとしている、こう読み取れるような気がしました。ハルキ作品は特にいろんなメタファーに満ちている上、決して何がどれのメタファーであると明確化しないので答えというものは存在しませんが、久しぶりに読みながらちょっと以前よりも少し距離を離して読む事が出来て下巻も楽しみです。

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